― 一人暮らし男子の「ゆるい本棚整理術」 ―
一人暮らしを始めた頃、
部屋の片隅に小さな本棚を置いた。
最初は、お気に入りの漫画と小説を並べるくらいだったのに、
気づけば、本棚からあふれる本たち。
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読みかけのビジネス書
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衝動買いした自己啓発本
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旅先で買ったエッセイ集
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ずっと好きな漫画シリーズ
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捨てられない思い出の雑誌
「そろそろ整理しなきゃな」
そう思って本棚を見つめると、
**「でも、全部手放したくないな」**という気持ちが湧いてくる。
一人暮らしの部屋って限られた空間だから、
物を減らせばすっきりする。
でも、なんでも減らせばいいわけじゃない。
僕がたどり着いたのは、
**“無理せず、本と付き合う整理術”**だった。
今回は、そんな僕の
**一人暮らし男子の「本棚整理のゆるい工夫」**を紹介したい。
1. まずは「全部出す」から始める
整理しようと思ったとき、
本棚の前でただ立ち尽くすことがある。
「どれを残す?」「どれを捨てる?」と考えても、
なかなか手が動かない。
だから僕はまず、
“全部本棚から出す”ことから始める。
テーブルの上や床に、
全部並べてみる。
すると、
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「こんな本持ってたっけ?」
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「あ、この本好きだったな」
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「これ読まずに放置してたな」
いろんな感情が湧いてくる。
本棚に入れっぱなしだと、
いつの間にか“風景の一部”になって
存在を忘れてしまう本たち。
全部出すことで、
一冊一冊とちゃんと向き合える。
整理はそこからだと思う。
2. 仕分けの基準は「今の自分に必要か」
全部出した本を前にして、
僕はシンプルな基準で分ける。
① 今の自分に必要な本
② すぐじゃないけど手放せない本
③ 読み終わってもう役目を終えた本
「今の自分に必要か」
これが意外と大事。
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何度も読み返す漫画や小説
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生活にヒントをくれる実用書
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今の自分を元気にしてくれるエッセイ
こういう本は、迷わず残す。
逆に、
「勉強しようと思って買ったけど開いてない」本、
「とりあえず流行ってたから買った」本は、
一度役目が終わったものとして手放す候補にする。
ここで大事なのは、
“未来の自分”を基準にしないこと。
「いつか読むかも」は、
だいたい読まない。
今の自分にとって必要か。
それだけを考えて仕分けると、
整理のハードルが下がった。
3. 「飾る本」「しまう本」を分ける
全部の本を本棚に戻すと、
またゴチャっとしてしまう。
だから僕は、
「見せる本」と「しまう本」を分ける。
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表紙が好きな本
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友達が来たとき話題になる本
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自分が誇らしく感じる本
こういう本は、
あえて表紙を前にして飾る。
逆に、
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調べ物用の辞書や実用書
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読み終わったけど手元に置いておきたい本
こういう本は、
棚の下段や奥にまとめてしまう。
**“本棚はディスプレイの一部”**と考えると、
整理がただの作業じゃなくなる。
見た目に気を使うと、
自然と整えたくなるのが不思議だ。
4. 「手放すための出口」を用意する
一人暮らしだと、
手放すと決めた本がいつまでも部屋に残りがち。
「売ろうと思ってまとめた本の山」
が部屋の片隅にたまっていく。
そこで僕は、
「本を手放す出口」をあらかじめ決めておく。
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売る → メルカリ or ブックオフ
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譲る → 友達や職場の本棚
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寄付する → 図書館や地域のリサイクルボックス
出口を決めると、
「とりあえずまとめておこう」から
「今週中に動かそう」に変わる。
それだけで、
手放すハードルがぐっと下がった。
5. 定期的に「自分の棚」を見直す時間を作る
整理は一回で終わらない。
僕は、
**「季節の変わり目に本棚を見直す」**ことを習慣にした。
春、夏、秋、冬、
気分が変わるタイミングで棚を見返すと、
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興味が変わった本
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読み返したくなる本
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もう必要ない本
が自然と見えてくる。
本棚って、
自分の頭の中の縮図みたいなもの。
定期的に整えることで、
暮らし全体がすっきりして、
自分の“今”を感じられる。
無理して一気にやる必要はない。
ゆるく、続けることが大事だと思う。
おわりに:「本棚は、暮らしのアルバム」
本棚を整理していて気づいたのは、
本ってただの物じゃなく、
そのときの自分の記録だということ。
落ち込んでいたときに読んだ本、
やる気を出したくて買った本、
夢中で読みふけったシリーズ。
全部、そのときの自分を思い出させてくれる。
だからこそ、
ただ捨てるんじゃなく、
「今の自分にとって必要か」を基準に選ぶ整理が
心地いいと思う。
そして、
本棚を整えると、部屋も心も整う。
お気に入りの本が並ぶ棚を見ると、
「また明日も頑張ろう」と思える。
そんな“自分を励ます空間”を、
これからもゆるく育てていきたい。